ハービー・ハンコック「ROCKIT」イカれろ!
JAZZ界にとどまらず、音楽界に大きな影響力を持っている大御所ハービー・ハンコック。
名盤『処女航海』ーMaiden Voyageー
個人的にハービー・ハンコックは、フレディ・ハバートがトランペット、テナーサックスはジョージ・コールマン、リズム隊はドラムスがトニー・ウィリアムズ、ベースはロン・カーターが参加している名盤と言われたアルバム『処女航海』の人。
Herbie Hancock - Maiden Voyage
ジャケットもカッコいいし、名盤だから買っては見たもののクールでオシャレな感じだけど、さほどメロディアスでもなく、 熱量よりも技巧がすごい感じで何かとっつきにくい印象。
アホなバイトにはカシコが話す面白い話のような、靴下の上から足掻かれてる感じがした。
ストーリー仕立てとか色々と凄い訳を聞かされたけど、個人的には「擦り切れるまで聴こう」というアルバムではなかった。
HIPHOPとJAZZがFUSIONした!
そんな大御所がカッコいいニュー・アルバムを出すという情報があり、バイトもチョッピリ期待していた。
が、期待を裏切り新譜はおよそ想像していたJAZZとは全く違う、シンセサイザーやスクラッチを大胆に導入、HIPHOPに接近して世界的な大ヒットを記録した「ロックイット」だった。
アルバム「フーチャー・ショック」では、まだまだマイナーだったHIPHOPというジャンルを世に知らしめ、時代が音を立てて動いたアルバムだと言える。
のだが、
バイトは新曲を聴いて、覚えたての業界用語「イッタマ・イッタマ、クリビツ・テンギョウ」を連呼した。
アルバムのリード・シングルのジャケットに書かれてるタイトルも縦字で、コレは日本語が好きなの? バカにしてるの??。
手書きのデザインはダレがOKしていたんだろう。
コピーも「ニュー・ウェイブ・ファンク・シーンの新鋭マテリアルとのドッキングによって生まれたニュー・サウンド!!」
・・・・・・ ナンノコッチャ。
ちなみにTower RecordのHPに掲載されてるGoogle先生の翻訳ソフトによるアルバム収録曲の和訳の方がまだマシ。
「Rockit」は、 イカれろ = 巧いこと言うやないか〜い🍷
「Future Shock」は、 将来のショック = まんまやないか〜い🍷
「Rough」は、 粗い = チョットはひねらんか〜〜い🍷
という具合。
初聴きの感想は、ナンジャ・コリャ〜!
1983年、最初にこの“イカれた”曲を聴いた感想は、“太陽に吠えろ”のジーパン刑事の叫びと同じく
「ナンジャ・コリャ〜!」だった。
JAZZ? ROCK? ジャンルは何? カッコいいの?
ピコピコ ジュキュジュキュ 電子音ばかりが耳に付き、学のないバイトには全く理解不能のサウンドだった。
PVに登場するブレイクダンスロボットも、かなり気持ち悪い映像だ。
どうやら「ニュー・ウェイブ・ファンク・シーンの新鋭マテリアル」というのが、参加ミュージシャンのビル・ラズウェルとマイケル・バインホーンの二人のことらしい。
けど・・・・・・それってダレ? って感じ。
スクラッチはHIPHOP DJのグランドミキサーD.STで、スクラッチと印象的なリフは、いまや「踊るさんま御殿」のテーマ発表BGMでもお馴染みになった。初めてあの番組を観た時に「ウワァ〜ロックイット使ってる」と思った。
スクラッチってどうやって音出すの? が普通な時代。
レコード盤を指で抑えて前後に動かす?、ナニソレ。
オーディオ好きからすると、邪道も邪道。LPも針も痛むし、何してくれるねん。というのが素直な感想。
でも、翌84年にグラミー賞を受賞したというニュースを聞いて、フ~~ンと思った(だけ)。
グラミー賞のステージでの受賞演奏シーンを見て、ステージではこんな風にして音を出してミュージシャンと絡むんだ、というのを初めて見たと思う。
GrandMixer DST and Herbie Hancock
空覚えだが、発売記念の来日コンサートが大阪厚生年金会館であったように思う。
その時にレコード即売に行った。“会場特典”として頼んでる(よく考えたらムチャな注文)サイン色紙をハービーの楽屋に取りに行った想い出がある。(100枚くらいは頼んでたんだと思う)
楽屋の方から聴こえてきたのは・・・、太鼓の音。
ステージも見に行ったけど、ちょいとJAZZをかじっったくらいのバイトには、ほとんど理解不能だった。
いまだに、ハービー・ハンコックの演奏は難しく感じて、多分この大御所の凄さは一生わからないんだろうな・・・、知らんけど。