1周廻ってコダワリ目線

ある意味、逆にピンポン。

YouTubeらしい映像にひと言

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この時期になるとバブルの頃からお決まりのように流れてくるこの名曲。社会人になりたてで、東京に転勤した頃に始まったCM。出張帰りの東京駅はまさにこんな感じだった。この頃のCMは映像も曲もPowerがあって、世間の空気を引っ張って行ってた。

この曲の逸話は本当に色々あって、中でも印象的な間奏のコーラスワークは、2週間かけてダバダバやワァ〜をひたすら譜面無しで重ねていって64声分録音したとエンジニアの吉田保さんがラジオで話してた。

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山下達郎のクリスマス・イブ 似て非なるもの2本

YouTubeを見ていたらクリスマスイブの動画が目に入ったので見てみた。当時のCMを編集して、詞に合わせて映像を足して1曲に仕上げたのがコレ。

10月9日にアップされ50日くらいで160万回に迫る再生回数。


クリスマス・イブ/山下達郎

特に当時17歳の牧瀬里穂の可愛さは今見直しても圧倒的だと思った。あのシーンを撮るのに何テイク重ねたんだろう。今見ても1秒の映像の中に、関わる人の熱量がギュッと詰まっている感じが凄い。

 

同じ作者で、もう1本は「パロディ板」となっていて・・・

何がパロディかは見てのお楽しみで。


クリスマス・イブ/山下達郎 【パロディ版】

フジテレビ全盛期の「とんねるずのみなさんのおかげです」で、JR東海の全面協力で実現。牧瀬本人もノリノリで出演したものを上の作品と同じ手法で使ってる。

細かいことを言うと問題だらけですが、コレが令和の作品観。

制作者のページを見ると「趣味で制作してるだけなので私自身への収益化はしておらず、広告が表示される動画はコンテンツIDシステムに登録されてレコード会社等に収益が入ってます。」と書かれてた。

テレビと違うのは、制作者としての矜持なのか。

CMでも番組でも“0”から“1”を生み出すのが「制作」。

あったことを“そのまま”伝えるのが「報道」(最近は出来もしないつまらない演出を見かけることも少なくないが)

もちろんYouTuberにも「制作」的な人や「報道」的な人も居ます。

この映像も「見せたいきもち」はよく分かる。見たあとの気持ちも悪くはない。収益化もしていないし、レコード会社に誘導してるからいいだろうということを言いたいのだろう。

だけど、コレを良しとしてはいけないと思う。

とんねるずのみなさんのおかげです」の手法が正しい。

同じCM映像を見て、思いついたことを伝えようとする時に、かたやJR東海、CM制作会社の担当、代理店(電通)、タレント事務所などなど各所に許可を取りみんなが納得し面白がって作り上げたものと、自分で撮影した映像と当時のCMの辻褄の合うところだけを使って、ちょっと見栄え良く作ったもの。

いまYouTubeに上がってるもの(作品とはいいたくない)の中で、制作的なものってなかなか出会わない。

 

こういう古い意見が通じなくなる時代、「えっ何でダメなの?」って声も聞こえてきそうですが、こういうのが100万回超 再生されていくらか分からないけどYouTubeからの支払いがあるという所を直さない限りリエーターがYouTubeから育つとは思えない

 

YouTubeを見ているのは楽しいけど、テレビの替わりになるには制作者に強い矜持がないと無理だと思った映像でした。

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