1周廻ってコダワリ目線

ある意味、逆にピンポン。

2021年6月27日 今朝の1枚

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台風5合のせいで梅雨空が戻ってしまった朝、本当はスカッとした青空の下で聴きたいアルバムだけど、ジメッとした気分を上げるにも今日はこのアルバムにする。

 

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『CALIFORNIA SHOWER』渡辺貞夫  1978年3月 LAレコーディング

天気の良い休日の朝! 無性に聴きたくなる。

1933年生まれのナベサダさん。米寿を迎えても現役バリバリで活動中。

29歳でJAZZを本格的に学ぶためにバークリー音楽院に入学。

バークリー留学を終え帰国後の1967年に日本人ミュージシャンだけでレコーディングし、発表した『JAZZ & BOSSA』は日本のジャズLPとして初めてベストセラーとなった。日本のボサノヴァ・ブームはここから広まったとも言われている。

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ナベサダさんがブラジル、アフリカの音楽をいち早く導入していったのは、ジャズがワールド・ミュージックの要素をとり入れ、クロスオーバーからフュージョンへと向かっていった時代の潮流を体現するものだった。

高校生の頃にナベサダさんに触れたのが、ボサノヴァ好きに至る第一歩だったかもしれない。

ジャズをお茶の間に普及させたアルバム

まさに80年前後、テレビが茶の間の王様的な存在だった時代にJAZZがTV CM曲に使われていた。

アルバム・タイトル曲は資生堂「ブラバス」に、アルバム後半にはYAMAHA「タウニー」のCM曲も入ってる。個人的にはこのアルバムを聴くと草刈正雄の顔が浮かんでくる。JAZZなのにすごくとっつきやすく聴けたアルバム。

 

アレンジャーはデイブ・グルーシン

デイヴ・グルーシン・ファミリーを総動員してレコーディングされたら、そりゃミリオン・セラーになりますよ。

渡辺貞夫 (as,fl,sn) ,

Dave Grusin (p, el-p) 

Lee Ritenour (g) 

Chuck Rainey (el-b)

Harvey Mason (ds) ,

Paulinho Da Costa (per)

Oscar Brashear (tp)

Geroge Bohanon (tb) 

Ernie Watts (ts)。

米国西海岸フュージョン・ジャズの猛者揃い。

 

キャッチーなメロディ、COOLなアレンジ。カリフォルニアだけど“リゾート”ではない“アーバン”な風景を連想させてくれる。

ナベサダさんは日本人ミュージシャンのリーダーが凄腕のバックが演奏してアルバムを仕上げていくというスタイルの先駆者でもあった。

このあとJAZZにとどまらずロックもニューミュージックも同じようなスタイルでレコーディングし始める。

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このアルバムはジャケット写真も秀逸で、椰子の木と波打ち際をバックに何故かびしょ濡れのナベサダさん。

如何にもタイトル通りなジャケット写真は、操上和美さんによるもの。

ちょうど ピラミッドフィルムを設立した頃だと思う。

 

海岸沿いに いい形の椰子の木がなかったので、ワザワザ運んできて植えたセットの前での撮影したというエピソードや、降水機で降らしたシャワーを浴びてる時ではなくビショ濡れになったあとのカットが良かったのでジャケット写真になったという話を聞いた記憶がある。

当時はサウンド以外にもお金をかけて世界観を打ち出せたいい時代だった。

裏ジャケットの笑顔のリラックス加減がこのチームのいい関係を表してます。

(この写真に幾らかかったんでしょう?)

 

個人的には操上和美さんといえば井上陽水夢寝見」のPVが強烈な印象として残ってる。1コードしか使わないという、すごく実験的な曲だったので知ってる人も少ないのでは。


www.youtube.com

このPV全部セットなので、幾らかかった? 

バブル時代のど真ん中でしたから軽く1本!? いってたハズ。

贅沢な時代。

 

ナベサダさんも繰上さんも、もうすぐ90歳になるというのに まだまだ現役。

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2015年の対談です。

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「繰上和美 糸井重里 対談」

https://www.1101.com/kazumi_kurigami/index.html

 

 

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