2022年6月19日 今朝の1枚
梅雨入りした途端、湿度があがり今まで爽やかに吹いていた風がジトッとまとわりつく様になり不快指数が急上昇中。
肌感の不快指数が上昇すると、気分的な不快指数も一緒に上昇中するようだ。
オマージュのかけらもなく、モノマネにもなってないようなような作品を見てしまったのでサウナに直行。とにかく汗をかき何度も水風呂に入って気分転換。
不快指数を下げてくれる名盤
こんな気分を引きずるのも嫌なので気分転換には本物を聴こうと、今朝の1枚はコレ。
Nat King Cole『After Midnight』 1956年8~9月、Hollywoodで録音
ナット・キング・コールの出発点はジャズ・ピアニスト。
ポップスよりの作品を唄いヒットを飛ばしていたコールが、原点のピアノ&ヴォーカルに立ち戻り、さすが自分の唄声に響くピアノをプレイ。
シンプルなのに音を選んだ正確なタッチの弾き回しは「小粋で流麗」
甘くハートフルで柔らかいヴォーカルは、時にビターで芯が1本通っている。
息のあったスイング感 溢れるプレイは聴いていてとてもHappyな気分にさせてくれ、選曲もスタンダードが多いので思わずヴォリュームも上がり気味に。
モヤッとした気分を切り替えるにはピッタリな1枚だと言える。
昔は二足の草鞋を履くミュージシャンはたくさんいた!?
異なる楽器を操る二足の草鞋でいうと「サックスとフルート」が突出して多い印象だけれど一般的にジャズ界での二足の草鞋というと「楽器とヴォーカル」になる。
二足の草鞋は令和風に言うと「二刀流」!? 「ピアノとヴォーカル」「トランペットとヴォーカル」が多く、エンゼルスの大谷選手のように二刀流のどちらもが超一流となるとなかなかいない印象だ。
ナット・キング・コールは1919年生まれ。1930年代にスイングジャズのピアニストとして活躍していた中、1944年歌手として唄った「Straighten Up and Fly Right」がヒットし、それ以降二刀流ジャズミュージシャンとして大活躍する。
ナット・キング・コールは音楽以外でも、今尚問題となっている人種差別主義を超越した先駆者でもあり、1958年それまで白人だけだったテレビのホスト役をアフリカ系アメリカ人として初めて務め注目を集めた。
1965年2月にサンタモニカの病院で肺がんで逝去。45歳という若さだった。
前年の1964年にレコーディングした「L-O-V-E」が最後のヒット曲になった。
この曲はのちに娘のナタリー・コールが現代のレコーディング技術を駆使して世紀のヴァーチャルデュエットを実現し、グラミー賞主要部門を独占した。
こうやって本物を聴いていたら気分が良くなってきた。
今日も楽しんでいこう!