ノスタル爺の話 #1
いま音楽ソフトを買おうと思ったら、ショップとしてはTOWERレコードかディスクユニオン、紀伊國屋書店や家電量販店の中にあるくらいで、あとは中古店しか選択肢はありませんが、昭和の時代は個性的なショップが街ナカに沢山ありました。
レコード選びは、店員さんに聞くのが一番確かだった時代。
その中でもひときわ個性的な店員が多かったのがワルツ堂。
クラシックならワルツ堂・堂島店の大井(ツヤ子)さんに、JAZZはEST-1店の三村さんに、ダレのどのアルバムが良いのかを聞いてみるとパパパっと棚から選んで、1枚づつ何処が良いのかを話ながら「どれにする?」って感じの接客だった。
中でも大井さんはクラシック音源で聴いたことのないものはないとか、指揮者と演奏の出来や録音の状態など全部覚えてるとか、神の域のような逸話をよく聞いた。
そのお店にワザワザ行ってたのは、知識のある人とのコミニュケーションを求めてたから。
輸入盤とフュージョン に強いのは日本橋店、ロックにも強いEST-1店。京阪・樟葉駅前のD−51広場で握手会が頻繁にあったアイドルの聖地 樟葉店。
その他にも千日前、虹の街、戎橋、京橋、天満橋と大・小のお店がアチコチにありました。
知識のある店員がいることに加えて、ワルツ堂カードを作れば10%OFFで買えたから、いつも夕方になるにつれてスゴく賑わってた印象のあるお店だった。
ほかにも、演歌といえば千日前の大十。お店の前にミカン箱的なのを置いて演歌歌手の人がよく新曲のキャンペーンを演ってた。
いまでも梅田の紀伊國屋書店の中にDVDや新譜を売ってるコーナーはあるが、当時は一番奥まった所に大きなレコードショップがあった。
CBSソニーのバイトは、毎日 関西各地のレコードショップを訪れて在庫チェックするのが仕事だったので、色んなお店に行ったりした事を思い出してます。この辺りのことは、また別に書こうと思います。
マニアックなレコードは、阪急東通商店街にあったLPコーナー。
本当に楽しいお店で、LPコーナーに向かう時は「今日はどんなものに出会えるだろう?」と、ワクワクしながら行っていた。
突然閉店した時は、私の周りのレコキチは皆、すごい喪失感だった。
何でもネットで情報を得られる時代になったけど、ある意味 昔のように個人の好みも含めてお店でア〜ヤ・コ〜ヤ言いながら選ぶのも楽しかった。
JAZZを聞くのが楽しくなってきた頃に「コレ聴いてみ〜ビックリするサックスの音やで!」と言って店頭でかけてくれたのがファラオ・サンダースだった。
それまではソニー・ロリンズのサキコロとかアルフィーとかを聴いてたので、あんなにイカれた音にチョット腰が抜けそうになったけど、そのまま買って帰った。
もうこんな接客は、いまでは体験できないでしょうが。