2021年1月31日 今日の1枚
年が明けたと思ってたらアッという間に1月も終わり。
まもなく孫と1日違いの誕生日を迎えます。
そんな1月最後の日曜日は、みんなで聴けそうなスタンダード集にしました。
THE SUPER JAZZ TRIO『THE STANDARD』
これぞ、職人芸の極み。
トミー・フラナガン、レジー・ワークマン、ジョー・チェンバースが集まったオールスター・ユニット“THE SUPER JAZZ TRIO "のラスト・アルバムにして唯一のスタンダード・ナンバー集。トミー・フラナガンがリーダーで吹き込んだスタンダードナンバーを集めたアルバム。タイトルがアルバムコンセプト。
「枯葉」、「いつか王子様が」、「エンジェル・アイズ」といった人気の高いナンバーを、ベテラン・ミュージシャンならではの安定感で料理している。
日本ではこの手のシーボー(帽子)をかぶってるのは、ほぼゲーハーなので、ハンチング帽=その下はゲーハーという法則があ留が、さすが米国。そんな法則に当てはまらずゲーハーはひとり、ファッショナブルなオシャレ帽として被ってる。
収録曲も聴きなれたものばかりですし、JAZZは難しくないんだよ!楽しいよ!と言ってくれてるようなアルバム。馴染みがある曲ばかりなのでアドリブの面白さやベースやドラムスとの絡みが楽しめる仕上がりになってると思うが、辛口のJAZZ好きからは、すぐにそれぞれのソロパートが出てきて、それが一様で全体に凡庸だとか、ありきたりのスタンダード曲を上手に演奏しているだけで、何のインスピレーションもスリルもロマンも感じられないとか散々な言われようだが、楽しく聴ければいいじゃないかと思う。
このアルバムは、あのスタジオで録られた音。
それにしても自分たちでSUPER JAZZ TRIOと言ってしまう辺りが男前。
個人的にはゴリゴリのベースがいい、とてもいい。レジー・ワークマンの独特のベースがビュンビュン唸る。そして3人のアンサンブルもいいし録音も素晴らしい! 特にドラムの音は圧巻(微小音~強く叩いた時まで)多少エコーのかかったような響きが最高なので、「ひょっとして?」と思ってクレジットを見たら
「❗」
Recorded The Power Station, NYC, February 14, 1980
Power Stationサウンドだったかと、一人で納得。
NYの10番街と11番街の間、53丁目にある元は発電所だった所をTV stとして使ってたのを改修したスタジオ。ボン・ジョビの叔父が設計者。ボン・ジョビ家は元々棺桶を作ることを生業としていたので、端材の杉板を張り巡らせて創ってある。幅がバラバラな端材がスタジオ創りにはちょうどよかった。また、スタジオの一番高い天井には意匠として「棺」の形をしている。
この下にドラムを置くと乾いた音で薄くホールエコーもかかったパワフルなリズムが録れるというのでスタジオの名前がThe Power Stationとなったらしい。(知らんけど)
2009年に取材させてもらった時にはAvater Stになっていて、オーナーも日経3世の方だったが、いまはジュリアーニ音楽院がオーナー。
OLD NEVEのミキサー卓が素晴らしいコンディションで鎮座していた。メインテナンスが大変で、当時ですら部品がなかなか手に入らないと言われてた。卓以外にもTUBEマイクやアナログレコーダーなど70〜80年代の音が一番良かった時代のアナログ機器の名機がさり気なく沢山あった。
オーナーから聞いた話で、ビリー・ジョエルとシンディ・ローパーが同時期に別の部屋でレコーディングしていて、シンディが「ビリー、ちょっとこの曲のコーラス考えてくれない?」なんていうコミニュケーションが日常だったとか、ボン・ジョビがデビュー前にケータリングのバイトをしていて、夜中の誰も使ってない時にデモテープを録ってそれがデビューのきっかけになったとか、面白い話をたくさん聞けた。
ボスことブルース・スプリングスティーンの『ボーン・イン・ザU.S.A』のドラムの音が、まさにThe Power Station Sound。
Bruce Springsteen - Born In The U.S.A.
Bruce Springsteen - Born in the U.S.A. (Official Video)
拓郎さんの『サマルカンド・ブルー』もココで録られた。1986年
アルバムの中から「パラレル」
このアルバムは色々と想い出があるけど、またの機会に。