1周廻ってコダワリ目線

ある意味、逆にピンポン。

モノの価値とは何なのか?

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 先日ロケに立ち会った際、京都の有名な古美術店で北大路魯山人の器を間近で沢山見せていただいた。

全くこの手の美術品・骨董品に疎いので、価値については見当も付かないし値段を聞くのも野暮だなと思ったりして。

お店の方がおっしゃるには「同じような魯山人の器は美術館だとケースの中にあって、見るだけで触ることなどできないけど、古美術店だと実際に触れて手触りや重さも感じられるし、お店の方から色々とお話も聞けるから気軽に覗きはったらいいんですよ」

とは言うものの・・・

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ド素人には敷居が高くて、とても・とてもプライベートでは一歩も入れそうにありません。

 

知性も財力もあるカッコいいジジイなら、バーや料理屋さんで食べ物以外にグラスや器でも話が盛り上がり、器もご馳走の一つになっていくのでしょうが、シガナイ・ジジイはそうはいきません。

餃子でビール、蕎麦屋で板わさ・冷酒が分相応。

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桁違いの値段に、クリビツ・テンギョウ。

ロケがひと段落した時に、同じように値段が気になってたディレクターがご主人に聞いたところ

ドラムロールが鳴る事も「いくらだと思います?」という引っ張りもタメも全く無く

「これは5枚セットで〇〇万円」

「こっちのお皿は〇〇万円ですわ」

と、車を通り越して中古の家並みの値段をサラッ~と言われた。

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「えっ~~~⁉️  それは高いの? それともそんなもん? 全然わからん」

と心の中で叫び、改めてモノの価値について考えさせられた。

遠くから見てるだけ、決してそっちには行けないし行かない。

骨董の世界では、真贋の見極めが「知識」と「経験」によるものが大きいので、目利きの世界は「知識のプライド」と「積み重ねた信頼」で成り立ってるんだと思った。

 

モノの価値って何なんだろう。

「欲求」と「供給」のバランスで決まるものだと思うけど、嘘をついてないという前提がベースのはず。

最近のニュースで報じられている偽物版画の流通は、画廊を営む画商が「本物」と言って百貨店などで販売されると素人は信じますよね。こんな事を企む輩は画商として本物を見極めるプライドを捨てて金儲けに走り信頼も失い、同業者に迷惑かけてますね。

 

値段が時価の寿司屋、ソムリエから薦められるワインとか、美味しいに違いないとは思うけど、値打ちと金額のバランスがさっぱり分からない感じに似てる。

お店の信用やソムリエバッジを信頼して信用するしかしょうがない。

 

古美術の世界も学んでいくと楽しい世界なんでしょうが、もし壊したら・・・と思ったら近づくのも怖くなる。

うすはりのグラスで飲むビールは美味しいなと思うけど、これを割っただけでもウワっっと思う人には、この世界は絶対に向いてないと思った。

ヤマザキ・パン祭りでもらった白いお皿にベーコンエッグを乗せて食べる朝食が身の丈かな。