実況アナと解説者について。
北京五輪で話題の女子フィギュアを見ながらイライラ。
まず中継のオープニングの音の演出がまるでM1グランプリ。
アナウンサーは実況も下手で、解説者はシークエンスとかトリプルルッツとか動きに合わせて事前に選手が提出した演技の項目メモを見ながらつぶやくだけ。
ずっとこんな中継を見せられて、独り言のような解説を聞かされて・・・
解説って技をつぶやくことなのか?
随分前からこのういう解説に腹が立ってたけど、今回のフィギュアの解説に呼ばれなくなった美人スケーターが技を言うだけの先駆けみたいな人だったので消えたんだろうし、今年の“ドヤサ”みたいな顔した元スケーターも結局一緒。
フィギュアの解説って技の名前を言えばいいという風に思ってるんだろうな。
なんにも伝えてない、自己陶酔系実況アナ。
昭和の野球の実況でも、ただ不要な言葉だけを羅列して、その調子に酔ってるような下手なアナウンサーがいた。
「ピッチャー第1球を投げた、ボール。急速は145km、解説の〇〇さんどうですか」
どんな実況や、解説者はどう答えたらいいの?
「ピッチャー投げました、内角高め ボール、〇〇さんこの配球はどういう意味があるんですか?」などが実況としては正解ではないだろうか。
「続いて2球目を投げた、今度は外角に逃げるスライダー、バッター辛くもバットを止めた判定はボール。バッターもよく見てましたね」
なんていう実況があれば、解説もしやすいだろうに。
なかなかこういう実況・解説を聞けることも少なくなってしまった。
きょうの女子フィギュアのフリ−なんて腕のある実況アナウンサーと解説なら
「このあと注目のトリプルルッツ、スピードに乗って技を決めらるでしょうか、飛んだ、高さも充分 決まったか?」
「少し回転不足だったかもしれませんが、加点は期待できますし転んでもないから減点は最少だと思います」
とか このくらいのレベルで聞かせてくれよ。
実況も決めに行くような「栄光への架け橋だ〜」的な表現はいいから、もう少し工夫してちゃんと実況してくれ。表情や息遣い、足の運び指先までの神経の通い方など言葉を足して見せられる所いくらでもあるだろうに。
静かに見せたいなら技の羅列を言うのはウルサイだけ。
音楽とスケーティングの氷を引っかく音だけで十分に伝わる。
肩書で解説してるのが多すぎる。
出来もしないのに「解説」という立場の元選手や喋り手が多いのは温情なのか。
スポーツ解説とは見ていてるだけでは分からない事や難易度、目に見えない精神状態や一番の見所を説明してくれることではないのか。今決めた技をなぞるのではなく、次に控える技の見どころを言ってくれよ。
ニュース解説は論点を整理して問題点を洗い出し、何が間違っているかを明確に示す。その上でキチンと論理建てて意見を言う。取材・分析・整理をして発言しなければいけないはずなのに、自分の経験談や思った感想を言うことが解説だと思ってるようだ。
元選手だからとか、ニュースを読んでたから「解説」という名で画面に出てくるが、できてる人は一握り。
それにしても今のテレビを見ていて「解説」と名の付く人たちの力の無さに苛立ちを覚える。
特にフィギュアの中継はもっと考えてたほうがいい、見せてる側の押しつけが強すぎる。
ルッツとかサルコーとかトゥループとか専門用語を言われ続けても、技の違いも見分けもつかないし、もっと「解説」すべきことはあるだろう。
僕の思う、いい解説。
ゴルフ中継の青木さんの解説。
一般人では絶対に知らないことを言ってくれる。
逆光のティーグラウンドが映ってるのを見て
「逆光に向かって打つショットはショートしやすいんだよね、目に光が入ると距離感が狂うから。だからこのホールは距離は短いのにグリーンを外すプレーヤーが多いんだよ」
こういうのが解説ではないだろうか。
きょうの北京五輪のフィギュアの中継では、幕間で出てきた織田信長の末裔のコメントがちゃんと「解説」になっていた。