1周廻ってコダワリ目線

ある意味、逆にピンポン。

2021年6月13日、今日の1枚

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朝から雨模様の日曜日、昼すぎから薄日もさしてきた。

蒸し暑く湿度の多い風が肌にまとわりついて不快ですが、こんな日は大瀧詠一「雨のウェンズデイ」もいいんですが、今回は「クロっぽい」ルグラン・ジャズを聴くことにする。

実は素晴らしいジャズ・ピアニスト

ミッシェル・ルグランといえばフランスを代表する作曲家。自らも唄いジャズ・ピアノも奏でる生粋の音楽人。映画音楽やイージーリスニングのイメージが強いけど、実は素晴らしいジャズ・ピアニストであり、編曲家でもあった。

ミシェル・ルグラン自伝」によれば、ジャズにのめり込みはじめた16歳の時、ルグランは「交響曲作家か、バップ作曲家か、どちらの道を取ろうか? どうやって選ぼうか? あるいは、そもそもなぜ選ぶのか? これらの文化を全部混ぜ合わせて結びつける方法は存在しないのか?」という疑問を抱いたそうだ。

 

Lena Hoene&Michel Legrand『シェルブールの雨傘   19752

 1964(昭和39)年に公開された映画『Les Parapluies de Cherbourg邦題『シェルブールの雨傘』の主題歌はフランス語で歌われているが、のちに『I Will Wait For Youという英語タイトルがつけられ、ジャズシーンでも多くのシンガーに歌われている。

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何気にシャレオツなジャケット写真。

いきなり1曲目のタイトル曲でリナ・ホーンのソウルフルでしなやかなヴォーカルが炸裂。泥臭いけど素晴らしい表現力。

でも2曲めに入ると一転、オーケストラと繊細な絡みが聴ける。

実力のある人たちが集まると、細かい所にまで考えぬかれたアレンジと、その旋律の上で見事なまでに歌い上げられている。

参加ミュージシャンが

リチャード・ティー(オルガン)

ロン・カーター(ベース)

グラディ・テイト(ドラムス)

コーネル・デュプレイ(ギター)

ポール・グリフィン(ピアノ

ジョー・ベック(ギター)

ラルフ・マクドナルド(パーカッション)という豪華メンバー

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アルバムのベースにはルグランのアレンジがあるが、各プレーヤーの個性もうまく引き出され、曲の応じてストリングスやブラス、コーラスねどが「絶妙に」ブレンド

まさに「ルグラン・マジック」といえる仕掛けがほどこされた聴き応えのある贅沢なアルバムに仕上がっている。

 

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ミッシェル・ルグランの1stジャズアルバム=最高傑作の1枚『ルグラン・ジャズ』

彼の最初のジャズ・アルバムにして最高傑作の1つ、その名も『ルグラン・ジャズ』。このアルバムの制作にあたっては1958年の春、ルグランは約1ヶ月半にわたって新婚旅行を兼ねたアメリカ旅行に出かけ、その旅行中に当代随一のミュージシャンを集め自分で編曲したジャズ・アルバムを録音する事も目的にした旅行だった。新婚旅行が口実だったという話で、後でもしないとアメリカに長期行けなかったんでしょう。このレコーディングの成否の模様などは、詳しく書かれてる人がいるのでそちらにお任せする事にするが、マイルス・デイビスがルグランの編曲を品定めしたりするところは火花散りまくってたんだろうと思う。

このアルバムも素晴らしいけど、きょうはクロっぽい方が聴きたい気分だった。

 

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