1周廻ってコダワリ目線

ある意味、逆にピンポン。

美女アンプと魔女アンプの聴き比べ、出来たかどうか、知らんけど。

    1970年代後半、オーディオブームが到来!!

高校3年生17歳の小僧が、ニノミヤ無線でオーディオ三昧を送っていた時、まさしく世の中はオーディオブーム真っ盛り。

小僧は興味の塊と化し、機器やパーツの良し悪しの見分け方、音質についてやここをイジると良くなる場所とか、新製品の音決め実験など、中途半端な社員以上に当時の名物店員さんのもとで色んな事を沢山経験させてもらった。

特に、新製品の音決め実験は凄く面白く、閉店時間が近づくとメーカーの人が外側が同じで少しづつ中身の違うアンプやスピーカーを持ってきて、似せたい超弩級アンプやスピーカーと切り替えながら聴き比べていった。そうやって音決めをした製品が我が家にはアンプとスピーカーが1台づつある。

    高級機器の聴き比べが、自由にできた幸せ。 

アンプは118万円したプリ・アンプと、聴き比べたA社の18万円のプリ・アンプ。

値段差は6~7倍あるが、素子と基盤、ボリュウムやセレクタなどのパーツや電源にお金をかけたので、発売当時は飛び抜けて音がいいアンプとしてベストセラーに。トーンコントロールも何もつかない、回路は単純シンプル。

特に新開発のコンデンサーの音が素直で、聴き比べても高域の艶と響きはイイ線いってた。

 

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        魔女の音、美女の音。

超高級アンプの音を「魔女の音」と例えるなら、我が家に来たA社のアンプは「美女の音」とでもいうような位置づけ。

どちらのアンプも素性の良いパーツに頼って、シンプルに作ってあった。A社のアンプは似せたい音が明確だったので、みんなが顔を見合わせ、色んな話をしながら夜遅くまでアンプの中のパーツをいじったり、取り替えたりしながら聴き込んでいった。

こんな機会にに立ち会えたのも本当にラッキーだった。

魔女アンプに比べ美女アンプの高音に少し雑味があったのは、端子周りの一部分が鉄素材だったのが原因。これを換えれば良くなるのはわかってたが、値段も上がるからという理由で泣く泣く見送った。

一方、低域の音は鳴り方が違って、A社のアンプは押し出しの力感はあるが全体的に少し締りが甘かった。

これは明らかにケーブルが原因だった。

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この魔女アンプに使われているケーブルを通すと、モヤモヤした音がフィルターを通して取り除いてスカッとさせたような音になり、少し低音が足りない!? と思って聴いてるとグッと締まった超低域が顔を出してくるという次元の違う音。

このケーブルは、素材は不明だがとにかく凄いケーブルだった。

噂ではNASA辺りから入手してるとか、色んな噂話を聞いた、本当かどうかは知らんけど。

(多分これに近いのが「SUHNER SWITZERLAND」というケーブルで、現在は入手できない)

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今でもチャンスとお金があれば、この魔女アンプは手に入れて、じっくりと聴いて内部をつぶさに見てみたい。

 

ある日、このケーブルだけを単体で使う実験をする事ができた。

色んな場所に使ってみて、このケーブルを超えるケーブルはないと思うくらい凄かった。アンプの内部配線、プリアンプとパワーアンプ間、プレーヤーとMCトランス間・・・。

美女アンプのアンプ内配線にこのケーブルを使ったら、ほぼ魔女アンプと同じ音になるのではないかと思った。

 

スピーカーについては、また回を改めて。

 

機器以外ではLPもスタンパーが新しい初回プレスに近いものと、スタンパーを取り替えないといけなくなるくらい後期のものでは、明らかに音が違うというのも聴き比べてその違いに驚いた。

初回プレスに近いと溝が深く、高域の伸びと低域の音の締りが違った。知らんけど。

 

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写真のLPはオーディオの先生にもらった初回プレスの見本盤。

多分針を落としたのは今までで3回。聴くと減るので眺めてるだけ(笑)

 

    LPの穴の周りに「ヒゲ」をつけてはならぬ。

あと、LPを扱う時の作法も教わった。

盤面を指で持たないのは当たり前で、盤面をプレーヤーにセットする時にグリグリとセンターの穴を手探りで探すと、スピンドルの先で穴の周りに線が付く。

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(写真はCLUB DJが使ったLPを中古で買ったので、こんなに激しく線が付いている)

これを【ヒゲ】と読び、LPの扱いを知らない人がつけるブッサイクなものだから付けてはならないと教えられた。

 

【ヒゲ】を付けないためには、LPをプレーヤーにセットする時センタースピンドルを睨みつけて狙いを定めてセットすべしと。

よくJAZZ喫茶でプレーヤーに照明を当てているのは、この作法を守るためではないかと思ってる、知らんけど・・・。

 

というわけで、私が新品で買ったり手に入れたLPにはヒゲは皆無。

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